新入社員 わからないことだらけ の中でOJTを進める中で、どの組織でも起きる問題は「先輩によって言うことが違うことが違う」ではないでしょうか。
新入社員としてのスタートは、新しい環境への順応、新たな知識とスキルの習得、そして職場での人間関係の構築と、挑戦に満ちた期間です。特に、多くの新入社員が直面する一つの大きな課題は、【先輩社員からの指導やアドバイスが人によって異なる】という点にあります。
一人の先輩は「A」と言い、別の先輩は「B」と言う
このような状況は、どのアドバイスを受け入れ、どの方向に進むべきかを決める上で、かなりの混乱を引き起こすことがあります。
この記事では、先輩社員からの異なる指示やアドバイスに直面した際に、どのように対応し、自身の成長に繋げていくかについて解説します。また、様々な意見をバランス良く取り入れ、自己判断力を養うための具体的な方法にも触れていきます。
新入社員の皆さんが、このような状況を乗り越え、職場での自信と自立を築いていくための一助となれば幸いです。
本記事の構成（＝もくじ）
チームまたはプロジェクトのゴールを明確にする
プロジェクトやチームワークにおいて、目標が明確でないと、作業の方向性がずれたり、メンバー間での認識の齟齬が生じたりすることがあります。
【目標を明確にする】ことは、効率的に作業を進め、成功に導くための第一歩です。
具体例
例えば、あなたがウェブデザインプロジェクトのチームにいるとします。
プロジェクトのゴールが「ユーザーフレンドリーなウェブサイトを作成する」だけでは、具体性に欠けます。
これを【3ヶ月以内に、10代から30代の若年層をターゲットにした、使いやすさを重視したウェブサイトをリリースする】という明確なゴールに変えることで、チーム全員が具体的な目標に向かって努力できるようになります。
目標設定のポイント
具体的であること
「何を」「いつまでに」達成するかを明確にします。
測定可能であること
目標達成を数値や明確な基準で判断できるようにします。
達成可能であること
リソースや時間の制約を考慮した実現可能な目標を設定します。
関連性があること
チームや組織の大きな目標と連携していることを確認します。
時間枠があること
「いつまでに」達成するかの明確な期限を設けます。
ゴール設定の過程
目標を洗い出す
チームミーティングを開き、プロジェクトに関連する目標を全員で共有します。
SMART基準を適用する
具体的、測定可能、達成可能、関連性、時間枠の基準（SMART）に基づいて、目標を再定義します。
優先順位をつける
目標の中から最も重要なものを選び、優先順位を決定します。
アクションプランを作成する
各目標に対して、達成のための具体的な行動計画を立てます。
定期的にレビューする
定期的に進捗を確認し、必要に応じてゴールやプランを調整します。
この項目のポイント
チームまたはプロジェクトのゴールを明確にすることは、効率的な作業進行と成功のための鍵です。
ゴール設定には、目標を具体的かつ測定可能にすること、達成可能で関連性があり、明確な時間枠を持つことが重要です。
このプロセスを通じて、チーム全員が同じ方向を目指し、協力して目標達成に向けて努力できるようになります。
| 1.チームまたはプロジェクトのゴールを明確にする | |
| 2.メンターを「一人」に絞る | 5.文書化する |
| 3.相談体制を構築する | 6.コミュニケーションを重視する |
| 4.フィードバックを積極的に求める | 7.自己判断を育てる |
メンターを「一人」に絞る
職場での成長と学習において、メンターの存在は非常に重要です。
メンターは、自分より経験豊富な人物であり、キャリアの構築、スキルの向上、職場での問題解決においてガイダンスを提供してくれます。
しかし、【多くの先輩からアドバイスを受けると混乱する】ことがあります。そのため、一人のメンターを選ぶことが有益です。
具体例
例えば、新入社員の山田太郎さんは、IT企業に入社したばかりです。
多くのプロジェクトが同時進行しており、さまざまな先輩から異なるアドバイスを受けます。山田さんは、特に信頼でき、技術的な知識が豊富な鈴木さんをメンターとして選びました。
鈴木さんは、山田さんが直面する技術的な課題を解決するためのアドバイスを提供し、また、長期的なキャリア形成に関する相談にも乗ってくれます。
鈴木さんの指導のもと、山田さんはプロジェクトの目標を達成するための具体的なステップを理解し、同時に自己成長の道を歩むことができました。
メンター選びのポイント
信頼性
メンターは、自分の悩みや不安を正直に話せる、信頼できる人物であるべきです。
経験
メンターは、あなたが目指す分野や職種で豊富な経験を持っている人物を選びましょう。
相性
メンターとの相性は非常に重要です。相談しやすく、アドバイスが理解しやすいかどうかを考慮してください。
利用可能性
定期的に相談できる、時間を確保してくれるメンターを選びましょう。
メンター関係の構築
目標を明確にする
メンタリングの初めに、何を達成したいのか、具体的な目標をメンターと共有しましょう。
定期的なミーティング
定期的にミーティングを設け、進捗の確認やアドバイスを受ける時間を持ちましょう。
感謝の意を示す
メンターの助言や時間に感謝の意を示し、良好な関係を維持しましょう。
この項目のポイント
メンターを一人決めることは、新入社員が職場での課題を乗り越え、成長する上で非常に効果的です。
メンター選びに際しては、信頼性、経験、相性、利用可能性を考慮し、メンターとの関係を大切に育むことが重要です。適切なメンターのもとで、自分自身のキャリアとスキルを積極的に発展させましょう。
あわせて読みたい
| 1.チームまたはプロジェクトのゴールを明確にする | |
| 2.メンターを「一人」に絞る | 5.文書化する |
| 3.相談体制を構築する | 6.コミュニケーションを重視する |
| 4.フィードバックを積極的に求める | 7.自己判断を育てる |
相談体制を構築する
プロジェクトやチームにおいて、メンバーが直面する問題や不安を効率的に解決するためには、適切な相談体制の構築が欠かせません。
相談体制を整えることで、メンバーはスムーズに情報を共有し、協力して課題を乗り越えることができます。
具体例
例として、ソフトウェア開発プロジェクトを考えましょう。
プロジェクトマネージャーの田中さんは、チームメンバーが直面する技術的な問題やプロジェクト進行上の不明点を迅速に解決できるよう、相談体制を構築することにしました。
相談体制の具体的な構築方法
専用のチャットルームの設置
SlackやTeamsなどのコミュニケーションツールに、プロジェクト専用のチャットルームを設置します。ここで、メンバーはいつでも気軽に質問や相談ができます。
定期的なミーティングの開催
週に一度、全体ミーティングを開催し、プロジェクトの進捗や課題について話し合います。ここでは、メンバーからの質問にも時間を確保します。
メンターシステムの導入
新入社員や経験の浅いメンバーには、経験豊富な先輩をメンターとして割り当てます。メンターは、技術的な質問だけでなく、キャリアに関する相談にも応じます。
相談体制の効果
情報共有の促進
チャットルームでは、メンバーが遭遇した問題やその解決策を共有することができ、チーム全体の知識が向上します。
問題解決の迅速化
定期的なミーティングやメンターシステムにより、問題が早期に発見され、迅速な解決が可能になります。
チームの士気向上
メンバーが支え合い、協力して問題を解決する文化が育つことで、チームの士気が向上します。
この項目のポイント
相談体制を構築することは、プロジェクトやチームの成功に不可欠です。
チャットルームの設置、定期的なミーティングの開催、メンターシステムの導入などにより、メンバーがスムーズに情報を共有し、協力して課題を解決できる環境を整えましょう。
これにより、プロジェクトの進行がスムーズになるだけでなく、チームの士気も向上します。
| 1.チームまたはプロジェクトのゴールを明確にする | |
| 2.メンターを「一人」に絞る | 5.文書化する |
| 3.相談体制を構築する | 6.コミュニケーションを重視する |
| 4.フィードバックを積極的に求める | 7.自己判断を育てる |
フィードバックを積極的に求める
仕事やプロジェクトにおいて、自己成長と改善を続けるためには、フィードバックを積極的に求めることが重要です。
フィードバックを受け入れることで、自分の強みや改善点を理解し、より効果的な行動ができるようになります。
具体例
例えば、営業マネージャーの佐藤さんは、自分のプレゼンテーションスキルを向上させたいと考えています。
そのために、彼は以下のような方法でフィードバックを積極的に求めました。
フィードバックの求め方
プレゼンテーション後の直接的なフィードバック
佐藤さんは、プレゼンテーション後、聴衆であった同僚や上司に直接フィードバックを求めました。具体的な質問を用意し、「プレゼンテーションのどの部分が良かったですか？」「どのような点を改善すればもっと伝わるでしょうか？」と尋ねました。
匿名のフィードバックフォームの利用
全員からオープンな意見を得るために、佐藤さんはGoogleフォームを用いて匿名のフィードバックフォームを作成し、聴衆に回答を依頼しました。これにより、より正直な意見を収集することができました。
ビデオ録画の活用
自己評価のため、佐藤さんは自分のプレゼンテーションをビデオ録画し、後で見返すことにしました。また、信頼できる同僚にも視聴してもらい、フィードバックを求めました。
フィードバックの活用方法
強みの強化
受け取ったフィードバックから、佐藤さんは自分のプレゼンテーションの強みを理解し、それをさらに強化するよう努力しました。
改善点の特定と対策の実行
また、改善が必要なポイントについても明確になり、それに基づいて具体的な改善策を実行しました。例えば、話す速度を落とす、スライドのデザインをシンプルにするなどです。
この項目のポイント
フィードバックを積極的に求めることは、自己成長とスキル向上のために非常に効果的です。
フィードバックを通じて、自分の強みと改善点を客観的に理解し、それに基づいて行動を改善することが大切です。
フィードバックを求める際は、直接的な質問、匿名フォームの利用、ビデオ録画の活用など、様々な方法を試してみましょう。
| 1.チームまたはプロジェクトのゴールを明確にする | |
| 2.メンターを「一人」に絞る | 5.文書化する |
| 3.相談体制を構築する | 6.コミュニケーションを重視する |
| 4.フィードバックを積極的に求める | 7.自己判断を育てる |
文書化する
プロジェクトや業務の進行において、行った作業や得られた知見を文書化することは、効率的な情報共有と後続作業の円滑化に非常に重要です。
文書化は、チーム全体の知識の蓄積と伝達を助け、プロジェクトの成功に貢献します。
具体例
例として、ウェブ開発プロジェクトを進行している伊藤さんのチームを見てみましょう。
このチームでは、以下のような文書化の取り組みが行われています。
文書化の具体的な取り組み
プロジェクトの要件文書
プロジェクト開始時に、顧客との打ち合わせを通じて明らかになった要件や期待される成果物を詳細に文書化します。
これにより、チームメンバー全員がプロジェクトの目標と範囲を正確に把握できます。
開発ガイドラインの作成
コーディング規約やデザインガイドラインなど、プロジェクトで共通のルールを文書化し、新しいメンバーが参加した際の教育コストを削減します。
ミーティングの議事録
各ミーティングでの議論内容や決定事項を文書化し、参加できなかったメンバーや後で内容を確認したいメンバーにとって有用な情報源とします。
技術ドキュメント
開発したシステムや機能に関する技術的な詳細、使用方法、トラブルシューティングのガイドなどを文書化します。これにより、メンテナンスや将来の機能追加が容易になります。
文書化の効果
情報の共有とアクセスの容易さ
文書化された情報は、必要なときにいつでも誰でもアクセスできるため、情報の共有が容易になります。
作業の効率化
プロジェクトの要件や開発ガイドラインが明確になることで、作業の効率化が図れます。
知識の蓄積
文書化することで、プロジェクトや業務に関する知識が蓄積され、将来のプロジェクトや新しいチームメンバーのための貴重な資源となります。
この項目のポイント
文書化は、プロジェクト管理や業務遂行における効率性と正確性を高める上で欠かせない要素です。
プロジェクトの要件からミーティングの議事録、技術ドキュメントに至るまで、様々な情報を適切に文書化することで、チーム全体の生産性を向上させ、プロジェクトの成功に貢献しましょう。
| 1.チームまたはプロジェクトのゴールを明確にする | |
| 2.メンターを「一人」に絞る | 5.文書化する |
| 3.相談体制を構築する | 6.コミュニケーションを重視する |
| 4.フィードバックを積極的に求める | 7.自己判断を育てる |
コミュニケーションを重視する
あらゆるプロジェクトや業務において、コミュニケーションは成功の鍵を握ります。
明確で効果的なコミュニケーションによって、誤解を防ぎ、チームの一体感を高め、プロジェクトをスムーズに進行させることができます。
具体例
例として、製品開発プロジェクトを進行している田中さんのチームを見てみましょう。
このチームでは、以下のようなコミュニケーションの取り組みが行われています。
コミュニケーションの具体的な取り組み
定期的なスタンドアップミーティング
毎朝、チーム全員で15分間のスタンドアップミーティングを開催します。各メンバーが現在取り組んでいること、直面している問題、その日の目標を共有します。
オープンなコミュニケーションスペースの設置
チームルームには、オープンなコミュニケーションスペースを設け、メンバーが自由に情報交換や相談を行える環境を作ります。
進捗報告とフィードバックのセッション
週に一度、プロジェクトの進捗報告とフィードバックのセッションを行い、プロジェクトの方向性の確認や改善点の議論を行います。
クロスファンクショナルなミーティング
異なる専門分野のメンバーが集まり、プロジェクト全体を俯瞰するためのミーティングを定期的に実施します。
これにより、部門間の壁を取り払い、プロジェクトの進行に必要な全体的な理解と協力を促進します。
コミュニケーションの効果
誤解の防止
定期的な情報交換により、誤解や情報の齟齬を最小限に抑えます。
問題解決の迅速化
問題や課題が早期に共有されることで、チーム全体での問題解決が迅速に行われます。
チームワークの強化
オープンで積極的なコミュニケーションは、チームメンバー間の信頼関係を築き、より強固なチームワークを生み出します。
また、他者からの意見やアドバイスを受け入れ、柔軟に自己改善していく姿勢も大切です。
この項目のポイント
コミュニケーションを重視することは、プロジェクト管理とチームビルディングの両方において不可欠です。
定期的なミーティング、オープンなコミュニケーションスペースの設置、進捗報告とフィードバックのセッションなど、様々な取り組みを通じてコミュニケーションを促進し、プロジェクトの成功に貢献しましょう。
| 1.チームまたはプロジェクトのゴールを明確にする | |
| 2.メンターを「一人」に絞る | 5.文書化する |
| 3.相談体制を構築する | 6.コミュニケーションを重視する |
| 4.フィードバックを積極的に求める | 7.自己判断を育てる |
自己判断を育てる
自己判断力は、個人の成長とプロフェッショナルな発展の両方において重要な役割を果たします。
特に、ビジネスの世界では、迅速かつ効果的な意思決定が成功の鍵となるため、自己判断力の育成は不可欠です。
具体例
例として、新しいプロジェクトに取り組んでいる佐藤さんのチームを見てみましょう。
このチームでは、メンバーの自己判断力を育てるために以下のような取り組みが行われています。
自己判断力を育てる具体的な取り組み
小規模プロジェクトの自主管理
チームメンバーに小規模プロジェクトを任せ、計画から実行、評価までの全過程を自主的に管理させます。
これにより、リスク評価や時間管理、優先順位付けのスキルが自然と身につきます。
意思決定の機会を提供
日常の業務やプロジェクトの中で、意思決定が必要な場面をメンバーに任せます。
その際、失敗を恐れずにチャレンジする文化を育て、失敗から学ぶことの重要性を強調します。
フィードバックの促進
定期的なフィードバックセッションを通じて、メンバーの行動や判断に対する即時のフィードバックを提供します。
良い判断をした場合はそれを認め、改善が必要な場合は具体的なアドバイスを行います。
学習と成長の機会の提供
オンラインコース、ワークショップ、セミナーへの参加を奨励し、新しい知識やスキルの習得をサポートします。
これにより、メンバーは自己判断を下すための幅広い視野と知識を得ることができます。
自己判断力を育てる効果
自立性の向上
自己判断力を育てることで、メンバーは自立的に行動し、自信を持って意思決定を行うようになります。
問題解決能力の強化
様々な状況での自己判断の経験を積むことで、複雑な問題に対する解決策を見つける能力が向上します。
チームの生産性の向上
メンバー一人ひとりが自己判断力を持つことで、チーム全体の意思決定プロセスがスピードアップし、生産性が向上します。
この項目のポイント
自己判断力を育てることは、個人の成長だけでなく、チームや組織全体のパフォーマンス向上にも寄与します。
小規模プロジェクトの自主管理、意思決定の機会の提供、フィードバックの促進、学習と成長の機会の提供などの取り組みを通じて、メンバーの自己判断力を育て、より効果的で自立したチームを目指しましょう。
まとめ
新入社員としての道のりは、時に複雑で難解なものです。
特に、先輩社員からの異なる指示やアドバイスに直面することは、多くの新入社員にとって共通の悩みの一つです。しかし、このような状況は、自己判断力を養う貴重な機会でもあります。
この記事を通じて、異なる意見や指示をどのように処理し、自分の成長に繋げていくかについて学びました。
重要なのは、全ての意見を真摯に受け止めつつ、自分自身の判断で最適な行動を選択することです。また、不明点や疑問がある場合には、適切な方法で確認や相談を行うことも、職場での信頼関係を築き、自立への道を歩む上で重要です。
新入社員の皆さんが、先輩からのさまざまなアドバイスをバランス良く取り入れながら、自己成長の糧とし、職場での自信と自立を築いていくことを心から願っています。
様々な意見を受け入れる柔軟性と、自分自身で考え判断する力を持つことが、これからの社会人生活を豊かにする鍵となるでしょう。
新しい環境での挑戦は容易ではありませんが、それぞれの経験が皆さんを成長させ、より強く、賢い社会人へと導いてくれることでしょう。
この記事が、そんな皆さんの一助となれば幸いです。