この記事では、「 動機づけ 面接 」で注力すべきポイントを徹底解説しています。
特に新人マネージャーは表面的な面談を重ねてしまいがちですが、そもそも「面談」は必要なのだろうか?と疑問に持つときはないでしょうか?
私が新人マネージャーだった時は、「耳障りの良い回答ばかりで、全く行動が伴っていない…」と、私自身ではなく相手に非があることばかり考えてしまっておりました。
しかし、経験を重ねるにつれ、面談を行うこと自体が「目的」となってしまい、「なぜ、面談をするのか?何の効果、価値を相手に提供できるのか?」という本来の趣旨を忘れているのだと気付くことができました。
私自身の失敗と成功を踏まえ、新人マネージャーのための「動機づけ面接の方法」について、細部まで徹底解説します。
本記事の構成(=もくじ)
「 動機づけ 面接 」の再注力ポイントは5つ
- 面接の目的を明確にする
面接の目的は、社員の動機を理解し、彼らのパフォーマンスと満足度を高めることです。
この目的を忘れずに、面接を進めてください。- オープンマインドで臨む
あらかじめ答えを予想せず、社員の話をオープンに受け入れる心構えが重要です。- 適切な質問をする
質問は、社員が自身の動機を深く探る手段です。
具体的な事例や具体的な行動を尋ねることで、社員の内面を引き出すことができます。例えば、「あなたが業務において最もやりがいを感じる瞬間は何ですか?」や、「あなたが自身の業績を向上させるために何をしたいと考えていますか?」といった質問が有効です。- 傾聴する
面接では、社員が話す時間を多く取ることが重要です。
そのためには、話を遮らず、細かい部分まで注意深く聞くことが求められます。また、社員が自身の意見をしっかりと述べられるよう、必要に応じて質問を投げかけることも重要です。- フィードバックを与える
面接の最後には、社員の話をきちんと理解したことを示すためのフィードバックを行います。
評価や解釈を与えるのではなく、自分が何を聞いたかを述べるようにしてください。そして、それが社員の意図したメッセージと一致しているかを確認します。
社員のモチベーションを高める具体的な質問
社員のモチベーションを高めるためには、以下のような質問が効果的です。
これらの質問は、社員の動機や価値観を明らかにするだけでなく、彼らが自分自身のキャリアについて深く考えるきっかけを提供します。これにより、社員のモチベーションを高めることができます。
- 「あなたが業務において最もやりがいを感じる瞬間は何ですか?」
この質問は、社員が何に情熱を感じ、何が彼らを動かすのかを理解するのに役立ちます。- 「あなたが自身の業績を向上させるために何をしたいと考えていますか?」
社員自身が自己成長のために何を必要としているのか、または何を望んでいるのかを理解するための重要な質問です。- 「あなたが仕事で達成したい目標は何ですか?」
この質問により、社員のキャリアビジョンや目指すべき方向性を把握することができます。- 「あなたがチームで最も貢献できると思う部分は何ですか?」
社員が自分の強みや特性をどのように理解しているかを知ることができ、それをどのように活用できるかについての議論を促進します。- 「今後、どのようなスキルや経験を積みたいと思っていますか?」
社員が自己成長のために何を求めているのか、またはどのような方向に進みたいのかを理解するための質問です。
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モチベーションを高めるための具体的なアクションプランを立てる際に、どのようなサポートが必要?
モチベーションを高めるための具体的なアクションプランを立てる際には、以下のようなサポートが必要です。
下記のサポートを提供することで、社員は自分のモチベーションを高め、自分のパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。
- 目標設定の支援
具体的、測定可能、達成可能、関連性のある、時間制限のある「SMART目標」を設定することを助けます。
これにより、社員は自分の進行状況を追跡し、目標達成の喜びを感じることができます。
SMART目標 とは |数字根拠に基づいた目標設定方法とは?具体例を交えて徹底解説本記事では「 SMART目標 とは ? 」について解説します。「具体的、測定可能、達成可能、関連性、時間制約のある目標設定」を明確にすることで、まるで地図を手に入れた旅人のように目的地への道筋が明確になります。結果に直結する作業なら、モチベーションも高まる筈です。この記事を参考にしながらチャレンジ学習してみてください。- 必要なリソースの提供
必要なスキルを習得したり、新しいプロジェクトに取り組んだりするためには、適切なリソース(時間、教育、ツールなど)が必要です。
マネージャーとして、これらを確保することが重要です。- 定期的なフィードバックとコーチング
定期的なフィードバックとコーチングは、社員が自分の進行状況を理解し、必要に応じて戦略を調整するのを助けます。
これにより、社員は自分の成長と学習を感じることができます。- 成功の認識
社員の努力と成果を認識し、称賛することは非常に重要です。
これにより、社員は自分の働きが評価されていると感じ、モチベーションを高めることができます。- 失敗を恐れない、追及しない文化の醸成
新しいことを試すことは、学習と成長の一部ですが、それにはリスクが伴います。
マネージャーとして、失敗を恐れずに挑戦する文化を醸成することが重要です。
面談で本心ではない回答を重ねるメンバーとのコミュニケーション改善点は?
(面談相手の本心を聞き出せていない)と面談中に感じた場合は、以下のアプローチを試してみると良いかもしれません。
それぞれのアプローチには時間と労力が必要ですが、これらを地道に続けることで、長期的にはチームの生産性と満足度を向上させることができます。
- 信頼関係の構築
まずは、社員との信頼関係を構築することが重要です。
それには時間がかかるかもしれませんが、社員が自分の本音を話すためには、安全な環境と信頼感が必要です。社員との1対1の時間を増やし、その中で自分自身も自分の経験や思いを共有するなどして、お互いの理解を深めることが有効です。- 個々の目標と企業の目標の整合
社員が仕事に情熱を持つためには、その仕事が自分自身の目標や価値観と合致していることが重要です。
社員一人ひとりとの面談で、その人が何を重視し、何を達成したいと思っているのかを理解し、それがチームや企業の目標とどのように連動するかを見つけることが重要です。- 役割と責任の明確化
社員が仕事に全力を尽くすためには、自分の役割と責任が明確であることが重要です。
それぞれの社員が、自分の仕事がチーム全体の目標達成にどのように貢献しているのかを理解することで、仕事への意欲や自己効力感を高めることができます。- 成果の認識と評価
社員の努力と成果を認識し、評価することは、モチベーションを高める重要な要素です。
個々の社員がどのような成果を上げたのかを定期的に共有し、その成果を評価する文化を作ることが有効です。
「信頼関係の構築」方法5選
信頼関係の構築は、長期的なコミュニケーションと行動によって築かれます。以下に、信頼関係を構築するための具体的な方法をまとめました。
それぞれの方法には時間と労力が必要ですが、これらを地道に続けることで、強固な信頼関係を築くことができます。
- オープンで透明なコミュニケーション
これは信頼関係の基礎です。
情報を公開し、意思決定の背景を共有することで、社員が組織に対して信頼感を持つことができます。- 一貫性
言動の一貫性は、信頼関係を築く上で非常に重要です。
約束を守り、予告通りの行動をすることで、他人からの信頼を勝ち取ることができます。- 相手の視点を尊重
他人の意見や感情を尊重することは、信頼関係を深める重要な要素です。
他人の視点を理解し、その視点を尊重することで、相手から信頼を得ることができます。- エンパシー(共感)
他人の感情や状況に共感することは、人間関係を深める強力なツールです。
他人の立場や感情を理解し、それに共感することで、深い信頼関係を築くことができます。- 個人的な関係の構築
業務関連の話題だけでなく、個人的な話題についても話すことで、より深い人間関係を築くことができます。
相手の趣味や家族、週末の過ごし方など、ビジネス以外の話題についても興味を持つことが重要です。
「伝える力」を育てるトレーニングも必要
言葉以外のコミュニケーション、例えば姿勢、ジェスチャー、表情なども重要です。
相手の非言語コミュニケーションを理解し、自分の非言語コミュニケーションをコントロールすることで、より効果的なコミュニケーションを実現できます。
“文部科学省 調査研究事業”で採用された「伝え方コミュニケーション検定」は、”感覚”ではなく”理論的”なアプローチを学び、プロのフィードバックを受けられる環境で練習を重ねることが可能です。
初級検定 講座 | 初級・中級検定 セット講座 |
「エンパシー(共感)」で、共感すべきではないポイント4選
「エンパシー(共感)」は他人の感情や視点を理解し、それに対する理解を示すことを指す重要なスキルです。
しかし、全ての状況で無条件に共感するべきではありません。以下に、共感すべきではないポイントをまとめました。
- ネガティブな行動の正当化
他人のネガティブな行動や態度を正当化するために共感を使うべきではありません。
例えば、他人が不適切な行動を取ったとき、その行動の背後にある感情や状況を理解することは重要ですが、その行動自体を許容するべきではありません。- 自分自身の価値観の放棄
他人と共感することは重要ですが、それが自己の価値観や原則を犠牲にすることは避けるべきです。
他人の視点を理解し尊重することと、自己の価値観を放棄することは別です。- 自分自身の感情の無視
他人の感情に共感することは重要ですが、それが自分自身の感情を無視することにつながる場合は注意が必要です。
自己感情も大切にし、必要な場合はそれを適切に表現することが重要です。- 共感の強制
ある人が特定の感情を感じるべきだと強制することは避けるべきです。
人はそれぞれ独自の感情や反応を持ち、それらは個々の経験や視点に基づいています。他人の感情を尊重し、それに共感することが重要です。
完全に共感することは危険!3つの注意点
共感は他人との深いつながりを築く重要なツールですが、適切に管理されないと問題を引き起こす可能性もあります。以下に、共感することで起こり得る問題をまとめました。
これらの問題を避けるためには、共感を適度に保つとともに、自己の感情やニーズを大切にすることが重要です。また、必要に応じてプロフェッショナルな支援を求めることも重要です。
- エンパシーファティーグ(共感疲労)
他人の感情や苦痛に深く共感しすぎると、自身が疲弊し、ストレスや燃え尽き症候群(バーンアウト)を引き起こす可能性があります。
これを「エンパシーファティーグ」と言います。自己の感情やニーズを無視して他人に対して過度に共感し続けると、心身の健康を害する可能性があります。- 他人の自己成長の妨げ
他人の問題や困難に対して過度に共感し、それを解決しようとすると、その人が自己成長する機会を奪ってしまう可能性があります。
問題解決の答えを提示するのではなく、その人が自分自身で解決策を見つけるためのサポートを提供することが重要です。- 自己の価値観や原則の放棄
他人と共感することは重要ですが、それが自己の価値観や原則を犠牲にすることは避けるべきです。
他人の感情や視点を尊重しつつも、自己の感情や価値観も大切にすることが重要です。
まとめ
「 動機づけ 面接 」は、多くの注力ポイントで溢れています。
お互いの貴重な時間を割いて取り組んでいるわけですから、少しでも相手方に時間コスト以上の価値を提供すべきだと私は考えています。
叱咤激励も必要な場面があるかもしれませんが、私の経験上、「暖簾(のれん)に腕押し」になってしまうことの方が多いではないのでしょうか?
面談相手の発する言葉「だけ」でなく、会話の間や表情、話す速度の変化にも注意しながら面談を進めましょう。