本記事では「 SMART目標 とは ? 」について解説します。
SMART目標 の目的である、「具体的、測定可能、達成可能、関連性、時間制約のある目標設定」を明確にすることで、まるで地図を手に入れた旅人のように、目的地への道筋が明確になります。
結果に直結する作業なら、モチベーションも高まる筈です。この記事を参考にしながらチャレンジ学習してみてください。
- 具体的で達成可能な目標設定をすべきかわからない
- 目標達成の具体的な指標をどうすべきか悩んでいる
- どのようにして自分自身やチームのパフォーマンスを評価すべきかわからない
- 目標が現実的でない、適切なリソースやサポートが足りないと感じている
本記事の構成(=もくじ)
SMART目標 とは ?
ビジネスシーンで明確な目標を立てる際に用いられる方法が「SMART目標」です。
「SMART」は、5つの英単語の頭文字を取ったもので、これらを満たす目標が、達成可能で効果的なものとされています。
それぞれの意味を見ていきましょう。
- 「S」pecific(特定の)
曖昧な目標ではなく、「何を」「どのように」達成するのかを明確にする- 「M」easurable(測定可能な)
達成したかどうかを判断するための目標基準(数値、指標)を明確にする- 「A」chievable(達成可能な)
現実的で達成可能である「根拠」を明確にする(根拠のない、達成できない目標はモチベーションを下げる)- 「R」elevant(関連性のある)
目標は自分の仕事やキャリア、個人的な成長など、自分自身や組織の大きな目標に関連しているか- 「T」ime-bound(時間制約のある)
目標達成までの期限を設け、それにに向けた行動を促す
SMART目標の設定方法
それでは、具体的にSMART目標を設定する方法を見ていきましょう。
下記の内容を使って、具体的で達成可能な目標を設定しましょう。
- S – Specific(特定の)
具体的な目標を設定します。例えば、「もっと売上を上げる」という目標ではなく、「次の四半期には現在の売上を10%増やす」という具体的な目標を設定します。- M – Measurable(測定可能な)
目標を測定する方法を考えます。売上の場合は比較的簡単で、現在の売上と比較してどれだけ増えたかを見るだけです。しかし、例えば「顧客満足度を上げる」などの抽象的な目標の場合、アンケート結果などを用いると良いでしょう。- A – Achievable(達成可能な)
目標が現実的で達成可能か評価します。市場環境、リソース、時間などを考慮に入れ、目標が達成可能かどうかを判断します。「売上を50%増やす」が達成可能かどうかは、あなたのビジネス状況によります。- R – Relevant(関連性のある)
目標があなたやチーム、組織の大きな目標に関連していることを確認します。売上を上げることが、組織全体の成長やあなた自身のキャリアにとって重要なことなら、それは関連性のある目標です。- T – Time-bound(時間制約のある)
最後に、目標達成の期限を設定します。これにより、目標に向かって行動を始めるための具体的なスケジュールが作れます。「次の四半期に売上を10%増やす」という目標は、時間制約が明確に設定されています。
SMART目標の活用
SMART目標をうまく活用すれば、チームの生産性を高め、業績を改善することができます。
具体的な目標があることで、チーム全体が同じ方向に進むことができ、それぞれのメンバーが何をすべきかを理解しやすくなります。
また、 SMART目標 とは 、個々のパフォーマンス評価にも役立てるためにも役立ちます。達成した目標と達成できなかった目標を見て、問題点を特定し、改善策を立てることができます。
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SMART目標を設定することのメリットとは?
SMART目標を設定することには多くのメリットがあります。
以下のメリットを活かして、SMART目標を設定し、達成に向けて努力することで、個人や組織の成長と成功を実現することができます。
- 明確性
SMART目標は具体的で明確なので、何を達成すべきかがはっきりとします。これにより、無駄なエネルギーや時間を使わずに、正確に目標に向かって努力することができます。- モチベーションの向上
達成可能で具体的な目標は、達成感を与え、自己効力感(自分ができるという信念)を高めます。これにより、モチベーションが向上し、更なる成果を生み出す可能性が高まります。- 進捗管理
測定可能な目標は、進捗を確認し、必要な場合には戦略を調整することを可能にします。これにより、問題が発生した時にすぐに対応することができ、目標達成に向けて最善の道を選ぶことができます。- 時間管理
時間制約のある目標は、時間管理を促進します。期限があることで、タスクの優先順位をつけやすくなり、効率的に作業を進めることが可能になります。- 組織の一体感
SMART目標はチーム全体で共有されるため、共通の目標に向かって進む一体感を生み出します。これはチームの士気を高め、全員が一丸となって目標達成に取り組むことを促します。
実例:とあるパン屋さんが実際にSMART目標を書き上げた例
目標: 新メニューの開発と販売数の増加
このSMART目標は、パン屋さんが新商品の開発と販売に取り組むための明確なガイドラインを提供しています。
具体的な目標と期限が設定されているため、進捗を追跡しやすく、必要に応じて戦略を調整することが可能です。
S – Specific(特定の)
3つの新しいパンのレシピを開発し、店頭で販売する。
M – Measurable(測定可能な)
新メニューのパンが店頭に並び、その販売数をPOSシステムを通じて追跡します。
目標は、各新商品が店頭に並んだ週から8週間後までに、合計で400個(週に50個×8週間)売ることです。
この数字は、過去の新商品の平均売上数45個に対し、少し高めに設定していますが、新商品への顧客の反応や店舗のプロモーション活動を考慮に入れると、達成可能な目標と考えています。
このように具体的な販売数と追跡方法を明示することで、目標の進捗を具体的に測定し、達成度を確認することが可能となります。
A – Achievable(達成可能な)
過去の経験に基づいて、新商品のパンを店頭に並べた際、その商品は平均して週に約45個売れました。
さらに、最近の顧客アンケートでは、お客様の80%以上が新商品に興味があると回答しています。
これらのデータを考慮に入れると、週に50個の新商品を売るという目標は現実的で達成可能と考えられます。
このように具体的な数字や過去の経験、顧客の意見などを用いて達成が可能である要素を具体的に示すことで、目標設定がより現実的で信頼性のあるものになります。
R – Relevant(関連性のある)
新メニューの開発は、お店の商品ラインナップを豊かにし、顧客の関心を引きつけるために重要です。
これは、パン屋の継続的な成功に直結しています。
T – Time-bound(時間制約のある)
新しいパンのレシピの開発は次の1ヶ月で完了し、その後すぐに店頭に並べます。
そして、新商品の販売開始から2ヶ月後に販売数の目標を達成することを目指します。
数字根拠に基づいた具体的な目標を設定するための手順とは?
数字根拠に基づいた具体的な目標を設定するには、以下のような手順が必要です。
このような手順踏むことで、数字根拠に基づいた具体的な目標を設定し、達成に向けた戦略を立てることができます。
- データ収集
目標設定の前に、過去の業績データ、市場データ、競合他社の情報など、関連する可能性のあるすべてのデータを収集します。
これにより、現在の状況を理解し、将来の予測を立てるための根拠を得ることができます。- データ分析
収集したデータを分析し、傾向、パターン、異常などを特定します。
この分析により、何がうまくいっていて、何が改善が必要かを理解することができます。- 目標設定
分析結果に基づいて、具体的で達成可能な目標を設定します。
この目標は、収集したデータと分析結果に基づいているため、現実的で信頼性が高いものとなります。- 進捗の追跡
目標を設定したら、定期的に進捗を追跡し、必要に応じて目標を調整します。
進捗の追跡は、目標が適切であるか、または修正が必要かを判断する重要なプロセスです。- 評価と反省
目標の期限が来たら、その成果を評価し、反省します。
成功した場合、その要因を理解し、次回に活かします。目標を達成できなかった場合は、問題点を特定し、改善策を考えます。
まとめ
SMART目標 とは 、効果的な目標設定のための有用なツールです。
それぞれの要素が目標達成に重要な役割を果たし、チーム全体の成果を向上させることができます。具体的で、測定可能で、達成可能で、関連性のある、時間制約のある目標を設定し、ビジネスの成功につなげましょう。
この記事を通して、SMART目標の理解と活用に役立てられれば幸いです。